みやぎ型管理運営方式は水道の売却? それとも?

水道民営化

「宮城県が水道事業を民間に売り渡した!」「いや違う!」と話題になっていますが、実際はどうなのでしょうか。みやぎ型管理運営方式は、県が行ってきた水道事業を、宮城県と株式会社みずむすびマネジメントみやぎ(MMM)が連携して行うシステムです。それを、役割分担という視点からみていきたいと思います。

宮城県とMMMが連携して行う水道事業とは?

   

                   

県とMMMの連携は、コンセッション事業というかたちで行います。

施設に運営権を設定して、20年分の運営権MMMに売却。

県は施設を所有したまま水道事業の最終責任を負い、MMMは県民から料金を徴収して水道施設の運営を行うというものです。

役割分担としては

     宮城県 ・水質検査 ・管路・建物の更新工事

         そして事業全体の総合的管理を行い、最終責任を負う

     MMM ・浄水場等の運転管 ・薬品・資材の調 ・設備の修繕・更新工事

となります。

MMMは自ら上下水道事業を行うのではありません。新OM会社というのは、みずむすびサービスみやぎ(MSM)という下請け会社のことです。そこに事業を委託するかたちで行います。

それから、全ての上下水道事業がMMMに委ねられたのではありません。

どう工夫しても赤字確定の下水道事業(3事業)は県に残されました。

「※流域下⽔道事業の対象事業については、⽔道⽤⽔供給事業・⼯業⽤⽔道事業と区域が重複する4事業が⼀体運営の効果が最も⾼いと判断」と説明されていますが、赤字確定の3事業を外して県に残したということは、MMMの利益率を下げる事業をはずしたと思われても仕方ないのではないでしょうか。

みずむすびマネジメントみやぎ(MMM)と                                   みずむすびサービスみやぎ(MSM)の関係

藤原益栄議員の調べによると

実際に上下水道施設の運営を行っているMSMは、赤字になっています。

MMMは、宮城の水道事業を請け負う仕事しかしていません。

宮城県から委託費を71億6100万円受け取り、そのうち54億400万でMSMに下請けにだして、残りから諸経費を差し引き、7億3200万円の純利益をあげています。

宮城県の役割~リスク分担

維持管理費~県側の負担

また、宮城県が最終責任を負うとはどういうことか、さまざまな側面がありますが、今回は「宮城県上工下水一体官民連携運営事業 (みやぎ型管理運営方式) 公共施設等運営権実施契約書」の第10章「リスク分担」から抜き出してみました

     第10章 リスク分担

(リスク分担の原則)
第58条 県は,本契約で別途定める場合を除き,運営権者による本事業等の実施に対して,何らの対価を支払う義務を負わない。

では、県が負担することになる「別途定める場合」とはどういうときか、みていきましょう

(水量又は水質の変動)
第59条 県は,次の各号に掲げる場合に限り,水道用水供給事業又は工業用水道事業における,原水の水量又は水質の変動に起因して運営権者に生じた増加費用又は損害を負担する。

具体的には

1)ダムの水量が著しく減って、新たに水源開発をしなければならない状況になったら、そのための費用は県が負担し、MMMが被った損害は県が補償する

2)水道と工業用水に使う原水の水質が悪化して、MMMが最大限努力しても対処できずに送水・配水が停止してしまった場合、そのために増加した費用は県が補償する

3)水道と工業用水に使う原水の水質が恒常的に悪化して、追加の施設設備が必要になったときの費用は県が負担する

4)施設に大雨などによって水が処理能力を超えて大量に流れ込んで、施設が壊れてしまったな場合、その修理費用は県が負担する

5)施設に流入する水の質が、1カ月にわたり継続的に基準を満たさず、MMMに追加費用が発生した場合は県が負担する。それが原因で損害が発生した場合も県が負担する

(維持管理に係るリスク)  

第60条 運営権設定対象施設に対する電力の供給停止又は供給能力の低下であって,運営権設定対象施設に係るバックアップ機能によっても対応できないと認められるものに起因して,運営権者 に増加費用が発生したときは,県は,当該増加費用について補償するものとする。

・また、MMMが運営する施設以外の施設から搬入される汚泥が原因で、施設に不具合が発生した場合、その対処にかかった費用は県が負担し、損害が発生した場合は県が補償する

(反対運動及び訴訟等)

第61条 本事業等の実施自体により生ずる避けることのできない反対運動又は訴訟等により,本事業期間の変更,本事業等の中断若しくは延期又は運営権設定対象施設に物理的な破損等が発生した場合であって,かかる事象に起因して運営権者に増加費用又は損害が発生したときは,県は, 当該増加費用又は損害(ただし,弁護士費用その他の訴訟費用は含まない。)について補償するものとする。

(法令等の変更)

第62条 運営権者は,本契約締結日以降の法令等の変更(特定法令等変更を含むが,これに限られない。)により本事業等の実施が困難となった場合又は困難となることが見込まれる場合,その内容の詳細及び対応方針を直ちに県に対して通知しなければならない。

・県は、法令等の変更により、MMMがそれを守ることが困難になった場合、その法令を守る義務を、必要な範囲および必要な期間において免責できる

(法令等の変更による増加費用・損害の扱い)

第63条 本契約で別途定める場合を除き,本契約締結日以降の法令等の変更により義務事業又は附帯事業について運営権者に増加費用又は損害が生じたときは,運営権者が当該増加費用又は損害を負担するものとする。

1)法令等または県の計画の変更に対応するために、新たな設備投資が必要となる場合は、県が負担する

2)県の条例または計画が変更されたことにより、施設の設計または仕様などが変更になり追加費用が発生したときは県が負担し、損害が発生した場合は県が補償する(MMMが独自に行う事業は対象外)

(不可抗力による増加費用及び損害の扱い)

第65条 不可抗力により,義務事業(ただし,関連業務を除く。)又は附帯事業について運営権者又は県に増加費用又は損害が生じたときは,本契約に別段の定めがある場合を除き,県及び運営権者は,次の各号の定めに従い,当該増加費用又は損害を負担するものとする。

1)暴動,戦争等の人的災害に係る不可抗力による場合、9個別事業ごとに、施設について生じた追加費用または損害が、水道用水供給事業なら720万円、工業用水道事業なら500万円、流域下水道事業なら120万円を超える場合は県の負担とする

2)不可抗力によって本事業用地が毀損した場合,本事業用地の修補その他の原状回復に必要な措置は,県が自らの費用負担において行う。この場合,運営権者は,県の要請に応じてこれに最大限協力するものとする。

3)不可抗力発生時において、県がMMMに対して要請した業務を実施するために、MMMが提案書類に記載した緊急時の想定人員以上の人員配置が必要となった場合,県は,当該想定人員以上の人員配置のためにMMMに生じた増加費用について補償する

これは。。施設の修繕工事は、必要となるほとんどのケースで県が負担することになっているように見えます

維持管理費~MMMの利益

県からMMMに渡される「利用料金」は、20年間総費用の平均です。その中には施設の維持管理費も入っています。何も修繕していないのに、その費用が前倒しで支払われているのです。しかし、契約書をみると、ほとんど県が負担するようになっているように思えます。

みやぎ型管理運営方式は、利益はMMMに渡してリスクと負担は県に残すスキームのようにみえますね

【参考】

株式会社みずむすびマネジメントみやぎHP

宮城県議会 藤原益栄議員の講演会(2024/10/19 命の水を守る学習講演会)

令和2年度第1回 ⽔道分野における官⺠連携推進協議会 資料

宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)について令和7年4月宮城県企業局

宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式) 公共施設等運営権実施契約書

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