
知事選最中の河北新報の報道


知事選真っ只中だった10月22日の河北新報の記事です。
重要な争点のひとつ、メガソーラー認可について「宮城県がメガソーラー大歓迎というのは嘘だよ!!」と報道しました。高い税金をとれば業者はメガソーラーを作りづらくなるだろうということで、村井知事が「再エネ可能エネルギー地域共生促進税」をつくったから。では、本当にこの促進税には抑止力があるのでしょうか?
再生可能エネルギー地域共生促進税は払わなくてもいい場合がある

宮城県HPの説明によると、
太陽光・風力・バイオマス発電設備のため、0.5ヘクタールを超える森林を開発した場合

営業利益の20%、税金としてとるよ!というものです。
しかし、この促進税は、条件を満たせば払わなくても良いのです。

①~③ は無条件に非課税
④と⑤の条件を満たせば非課税
⑥ ④と⑤の条件を満たしていなくても、地域との共生が図られたとして市町村長が認め、知事が認定すれば非課税
「地域との共生が図られたとして市町村長が認め、知事が認定すれば非課税」とはどういう場合なのでしょうか?
促進税を払わなくてもいいと認められた2件をみると・・・
まず、県のHPによると、⑥の条件を満たした発電設備は今まで2件ありました


注目すべきは、「共生が図られているか」を決める判断基準となる地域貢献策の部分です。
白石市の風力発電では
・白石市及びまちづくり協議会が実施する事業に対する支援
・地元小中学校への環境教育(施設見学)に対する協力
・工事・メンテナンス業務の地元業者への発注
気仙沼市の太陽光発電では
・地域の山(学校林等)における森林教育活動に対する協力
・地元振興会や各組合、地元福祉・老人介護施設、ボランティア団体等への賛助や各活動への参加
・工事業務の地元業者への発注
以上の地域への貢献をもって、共生が図られたとして非課税になったのですが・・・そもそもマーカーを引いた部分は本来は行政が行うものですよね。もともと行政がやるべきものを事業者が肩代わりするだけなので、住民にメリットはないのではないでしょうか?

メガソーラーが認可された気仙沼市のHPをみると分かるように
申請があった自治体では地域共生協議会をつくります
住民に再エネ設置を納得させるために、行政が間をとりもち手伝うのです
その結果、非課税となった再エネ設備は
白石越河風力発電事業(陸上風力発電事業)

気仙沼市本吉町寺要害・深萩地区太陽光発電事業

ご覧の通り巨大なもので、大切な山がこんなにも削られています
その結果、地域住民は熊や猪の被害、土砂災害などのリスクにさらされます
再エネ促進税の目的とは? 再エネを減らすこと?それとも・・・
そもそもこの条例の目的は、再エネ認定を減らすことではありません

宮城県HPにある宮城県環境生活部次世代エネルギー室がつくったガイドラインを見てみると

○本県においても、脱炭素社会の実現に向け、再エネの最大限の導入を目指し、令和5年3月に、新たに「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050戦略」を策定しました。
○当該戦略では、2030年二酸化炭素排出量50%削減、再エネ導入量12.1倍(いずれも基準年度である2013年度比)を掲げており、再エネの普及促進を図ることとしています。
○一方、県内では、再エネに関する事業計画を巡り、特に森林に設置される場合、土砂災害や景観、環境への影響等を懸念する県民の声は大きく、反対の要望も多いことから、地域との共生を図りつつ、再エネの最大限導入と環境保全の両立を目指す新たな対策が求められています。
結局、目的は「再エネの最大限導入」です

〇その結果、規制を強化したとしても、許可基準を満たせば、事業の実施が可能であることなどから、地方自治体による規制のみでは対応が困難であるため、規制強化等と合わせて、森林を開発して再エネ発電設備を設置した事業者に課税し、経済的な負担が重くなる状況をつくり出すことで、再エネ事業の地域との共生を目指す、新たな税制度(再エネ地域共生促進税)を導入しました。
重税を課すといっても、同時に簡単に満たせる非課税要件を設けたら意味がないのではないでしょうか。
結論(推測)再エネ促進税は誰のため?
「再エネ可能エネルギー地域共生促進税」とは
再エネの最大限導入を目的として、行政が、反対しがちな地域住民と事業者の間をとりもち、行政のすべき支援を事業者が一部肩代わりすることで非課税とするものです
県 行政がすべき支援を事業者に一部肩代わりさせることで支出を減らせる
事業者 住民を説得するのを行政にたすけてもらえる
住民 獣害や土砂災害のリスクは変わらないが、自分たちが賛成したという事実が残る
しかし、宮城県民にとってメリットもあります。
地元住民が共生できないと最後まで反対すれば行政も無理強いできないということです。行政が間に入ることで、きちんとした話し合いにもっていけるということです。
つまり、県民が行政と事業者と渡り合えるほどの知識と実力を身につければ、山と自分たちの生活を守れるのではないでしょうか?

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